障害者雇用で就職活動をするうえで避けて通れないのが「配慮事項」の伝え方だ。履歴書や面接で必ず聞かれるが、これをうまく伝えられないと書類選考で落とされたり、運良く採用されても入社後にミスマッチが起きてしまう。
実際のところ自分も就職活動をしていた頃は配慮事項の書き方に悩んだ。「症状をどこまで開示すべきか」「要求が多すぎると思われないか」と考え始めるとキリがなかった。
でも何度か就活を経験してエージェントの担当者からアドバイスをもらううちに、配慮事項には伝え方の”型”があると分かった。今回はこの記事で配慮事項の伝え方を解説していく。これから就職活動を始める障害者の人は参考にしてほしい。
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そもそも「配慮事項」とは何か



配慮事項とは、障害者が働くうえで企業側に対応してほしい内容のことだ。例えば「通院のため月1回有給を取らせてほしい」「体調不良時は在宅勤務に切り替えたい」「電話対応は難しいのでメール対応にしてほしい」などが配慮事項にあたる。
障害者雇用の応募では履歴書や職務経歴書に配慮事項欄があったり、面接で必ず聞かれる項目になっている。だから配慮事項を準備せずに応募するとそもそも書類が完成しないし、面接でうまく答えられなくて選考に落ちる可能性が高い。
ただ「配慮事項を書いてください」と言われても何を書けばいいか分からない人も多いと思う。実際に自分も最初は何を書けばいいか分からず、ネットで調べたテンプレをそのまま使っていた時期もある。でも結論から言うとテンプレをそのまま使うのはおすすめできない。理由は次の章で説明していく。
配慮事項を曖昧に伝えると入社後にミスマッチが生まれ短期離職につながる



配慮事項を曖昧に伝えると入社後にミスマッチが起きる。これが配慮事項を真剣に考えるべき最大の理由だ。
例えば配慮事項に「体調に波があるので無理のない働き方をしたいです」とだけ書いたとする。一見もっともらしいが、これだと企業側は「無理のない働き方」が何を指すのか分からない。残業ゼロを希望しているのか、時短勤務を希望しているのか、テレワークを希望しているのか、企業の解釈次第になってしまう。
そして入社後に「思っていたのと違う」となって短期離職につながる。実際にSNSで障害者にアンケートを取ると、入社1年以内に離職した人の多くが「配慮事項の認識ズレ」を理由に挙げる。配慮事項を曖昧に伝えると、企業も自分も後から困ることになる。
短期離職をすると次の就職活動でも不利になるし、何より心身の負担が大きい。だから配慮事項は具体的に伝えるべきだ。次の章で具体的な書き方を解説していく。
配慮事項を伝えるベストな方法は「3点セット」で伝えること



配慮事項を伝えるときは「症状→困りごと→希望する配慮」の3点セットで伝えるのがベストだ。これを意識して書くと配慮事項が一気に伝わりやすくなる。
具体例を見てみよう。
例1:体調にバラツキがある場合
- 症状:朝の体調が不安定なときがある
- 困りごと:朝の通勤ラッシュ時に動悸や倦怠感が出ることがある
- 希望する配慮:フレックス勤務で始業時間を9時半〜10時にずらせるとありがたい
例2:マルチタスクが苦手の場合
- 症状:マルチタスクが苦手
- 困りごと:複数の業務を同時並行で進めると優先順位がつけられず混乱しやすい
- 希望する配慮:業務指示を1つずつ口頭ではなくテキスト(チャット等)で頂けると助かる
このように3点セットで書くと、企業側も「この人にはどんな配慮をすればいいか」がイメージできる。結果としてミスマッチが減り、採用される確率も上がる。
ポイントは症状の説明だけで終わらせないことだ。「うつ病です」だけだと企業側はどう対応すればいいか分からない。一方で「希望する配慮だけ」を書くと要求だけが目立って印象が悪くなる。だから症状から希望する配慮までを一連の流れで書くのが重要になってくる。
配慮事項のNGな伝え方



配慮事項にはやってはいけないNGな伝え方がある。これを知らずに書類を提出すると書類選考で落ちる可能性が高くなるので注意してほしい。
NG1:配慮事項を盛り込みすぎる
「通院・残業なし・テレワーク・フレックス・電話対応なし・対人業務なし…」と希望をすべて盛り込むパターンだ。これだと企業側は「対応できることがほぼない」と判断して書類で落とす。
配慮事項は本当に必要なものに絞って3〜5個程度に収めるのが現実的だ。



NG2:「特にありません」と書く
逆に配慮事項を「特にありません」と書くのもNGだ。これだと企業側は「自分の症状を理解できていない人」と判断してしまう。健常者と同じように働けるなら障害者雇用ではなく一般雇用で応募すべきという話にもなる。
どんなに軽い症状でも何かしらの配慮事項は書くべきだ。
NG3:配慮事項と症状が紐づいていない
「通院があるので有給を月1回使いたい」は配慮事項として成立する。でも「人間関係が苦手なので一人で作業させてほしい」は症状と紐づいていないので配慮事項としては弱い。
配慮事項はあくまで症状や障害特性に紐づいた内容にすべきだ。性格や好みの問題は配慮事項ではなく、職場選びの段階で解決すべき問題になる。
配慮事項を自分でまとめるのが難しい人へ



ここまで配慮事項の伝え方を解説してきたが、自分の症状や障害特性を客観的に整理するのは想像以上に難しい。実際に自分も最初は3点セットでうまく書けなくて、何度も書き直した経験がある。
そういうときに頼れるのが障害者向けの就職エージェントだ。エージェントの担当者は過去に何百人もの障害者の配慮事項を見てきているので、「あなたの症状ならこういう配慮事項を書くといいですよ」とアドバイスをくれる。
さらにエージェント経由で応募する場合、配慮事項を担当者が事前に企業へ共有してくれるので、書類選考の段階で配慮事項を理由に落とされるリスクも減る。これは個人で応募するときには得られない大きなメリットだ。
自分も就職活動をしたときはエージェントの担当者にヒアリングして配慮事項をブラッシュアップした。結果として書類選考の通過率が体感で2倍くらい上がった印象がある。
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まとめ:配慮事項は”自分を守る武器”になる



配慮事項は単なる応募書類の一項目ではなく、入社後に自分を守る武器になる。配慮事項に書いた内容は採用後に企業側が対応してくれる根拠になるからだ。
逆に配慮事項に書かなかった内容は入社後に「聞いていない」と言われて対応してもらえないこともある。だから本当に必要な配慮はしっかり書いて伝えるべきだ。
配慮事項の伝え方をまとめるとこの3つだ。
- 症状→困りごと→希望する配慮の3点セットで書く
- 本当に必要な配慮に絞る(3〜5個程度)
- 自分で書けない場合はエージェントに相談する
書き方ひとつで採用率が変わるのが配慮事項だ。これから就職活動を始める障害者の人は、ぜひ自分の配慮事項を見直してみてほしい。
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