「いつかは正社員に」と思いながら正社員への登用を考えている障害者は少なからずいる。「正社員登用」は障害者だけでなく健常者も利用する制度であり「正社員登用」がある会社を目的に求人選びをするケースもある。もちろん正社員は契約社員に比べて年収や安定性の面から魅力的だがデメリットもある。
今回は障害者が契約社員から正社員に登用される実現性を現実的に考えた話をしていく。







一般的な正社員登用の合格率(正社員になれる確率)



厚生労働省の「労働経済動向調査(令和5年2月)」によると正社員以外の労働者から正社員への「登用制度あり」は、調査産業計で 77%であった。
障害者の正社員率



ここでどれだけの障害者が正社員として働いているか調査結果を紹介する。まずは厚生労働省が出している「令和5年度障害者雇用実態調査」によると「身体障害者は59.3%(前回は52.5%)、知的障害者は20.3%
(同19.8%)、精神障害者は32.7%(同25.5%)、発達障害者は36.6%(同22.7%)」という結果とわかる。圧倒的に身体障害者の正社員率が高いが他の障害も約3割は正社員として働いている。SNSで障害者雇用で働く人を対象にアンケートを取ってみた。結果は次の通りだ。



これを見る限り約3割が正社員として働いている。
また精神障害者や知的障害者に絞ったアンケート結果は次のとおりだ。



最初に見せた「令和5年度障害者雇用実態調査」と同じく障害者種別によっては正社員率は3割を下回る。
障害者の中には体力面でフルタイム勤務が難しい場合があるので正社員率が少なくなるのは仕方ない。ただフルタイム勤務でもテレワーク制度を活用すれば心身の負担を経験できるのでテレワーク制度のある会社を狙ってみるのもありだ。



正社員を目指す理由は「年収」「安定性」がメイン



ある程度は知っていると思うが改めて正社員を目指す理由を解説する。すでに知っている人は飛ばしてもらって問題ない。まず契約社員と比較して出てくる正社員のメリットは次の通りだ。



特に正社員のメリットとなるのが年収と安定性だ。
正社員の年収は契約社員と異なり賞与もあるので契約社員に比べて高くなる。また雇用も安定するのでは契約社員の時の契約更新に悩むこともなくなる。一方で正社員になると業務範囲が広くなったり、異動や転勤といった面も出てくるので病気によって業務に得手不得手のある場合は対応がしづらくなる。ただこの点に関しては障害者雇用での入社であれば病気に対する配慮を相談してみるのもありだ。働くうえで病気によって難しい仕事など働き方の面を相談して「どうすれば解決できるか」一緒に考えてもらおう。
正社員登用制度の有無は入社前に必ずチェック



契約社員(非正規)からスタートして正社員を目指す場合に必ず確認しておきたいのが「正社員登用制度」の有無だ。これがないと正社員への転用は非現実になる。これから就職活動をする人は求人票に「登用制度あり」と書かれているかチェックしておこう。また求人票に記載がない場合は面接で聞いてみるのもありだ。
また面接の場では「過去に何名が正社員になったのか」「どのくらいの期間で登用されるケースが多いのか」「評価基準は何か」といった具体的な質問をしてみてもいい。
いきなり正社員を目指すのも現実的にあり(正社員として転職)



正社員登用制度を利用して契約社員からステップアップを狙うのも方法だが、正社員を目指すなら最初から正社員で募集している求人を探すのが最短ルートだ。
特に年齢やライフステージを考慮すると、最初から正社員を目指した方が良いケースもある。例えば30代以降で非正規期間が長くなると将来のキャリアや収入面で不安を感じることが多くなる。
そこで契約社員から正社員へのステップアップだと時間がかかる。そこで自分の体調管理方法や配慮事項を明確に説明できて安定して働ける見通しがあるなら、正社員としての転職に挑戦する価値は十分にあると思う。
正社員より契約社員の方が働きやすい場合もある



一方で必ずしも正社員で働くことが障害者すべてにとって最適とは限らない。
障害特性や体調、フルタイム勤務が難しいといった状況なら契約社員の方が働きやすい場合もある。
また正社員は責任範囲が広く、業務量や求められる成果が大きくなりやすい傾向がある。他にも異動や配置転換の可能性もあり、環境変化がストレスになる人にとっては負担となることもある。
その点、契約社員は業務内容が限定されていることが多く、働き方の見通しが立てやすい。更新制であることを逆にメリットと捉え、「無理だと感じたら契約満了で区切れる」という安心感を持てる人もいるので体調を最優先にしながら、安定して働き続けたい人にとって契約社員という選択は決して妥協ではない。だから正社員と契約社員のどちらが自分に合っているかは立ち止まって考えてみるべきだと思う。
正社員と契約社員のどちらで働くかに正解はない



最終的に、正社員と契約社員のどちらが良いかに「絶対の正解」はありません。大切なのは、自分の障害特性、体調、生活状況、将来の希望に合った働き方を選ぶことです。
賃金や安定性を重視して正社員を目指すのも一つの選択ですし、働きやすさや負担の少なさを優先して契約社員を選ぶのも立派な判断です。途中で働き方を見直し、契約社員から正社員を目指す、あるいは正社員から別の形態に切り替えることも可能です。
周囲と比較して焦る必要はありません。「長く、無理なく働き続けられるか」という視点を軸に、自分なりの答えを見つけることが、結果的に最も満足度の高いキャリアにつながります。
また最近ではテレワークやフレックスといった制度を導入している企業も増えてきている。そういった制度を活用することで働き方の幅は広がってくるから参考にしてほしい。














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