- 障害者雇用を考えているけど周りからはやめとけと言われている。障害者雇用は本当に辞めた方がいいか実態を知りたい。
- 初めて障害者雇用を考えているけど不安なので全体像を知りたい。
本記事では過去に600名近い障害者から相談を受け、障害者雇用で10年以上働く私が「障害者雇用の実態」について解説します。
この記事を読むことで「障害者雇用はやめとけ」の実態が分かります。
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障害者雇用はやめとけと言われる理由|デメリットしかないのはホント?
「障害者雇用はやめとけ」と、就職の相談をした際に言われてしまった経験はありませんか?
その理由として
- 一般雇用に比べて給料が安い
- 職種が限られてキャリアアップが難しい
- 求人が少ない
などが挙げられます。
では、なぜ上記の理由で「障害者雇用はやめとけ」と言われてしまうのか。
項目ごとに解説していきますので、参考にしてみてください。
一般雇用に比べて給料が安い
結論から言って、給料が安いと言われているのは間違ってはいません。
障害者雇用の方々がもらう給料は、一般雇用の方に比べて安い傾向があるのは確かな事実です。
その平均数字は、身体障害者は21万5千円、知的障害者は11万7千円、精神障害者は12万5千円、発達障害者は12万7千円。
障害の種類に関係なく平均すると、14万6千円となります。
(引用元URL:厚生労働省 報道発表資料「平成30年度障害者雇用実態調査の結果を公表します」)
一方、一般雇用の平均数字は男女で30万7千4百円。
(引用元URL:厚生労働省 統計状況白書「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」)
ただ中には障害者雇用で働いている人でも年収350万円ほどの人もいます。
実際に障害者雇用で働いている人の給料明細はこちらです
障害者雇用の方の給料が安くなってしまうのは、いくつかの原因があります。
- パートや契約社員などの非正規雇用枠で働いている
- 障害の特性上、特別な配慮をされている故に仕事量が少ない
- 通院や体力等の関係で時短労働せざるを得ない
- 給与アップしづらい職種に就いている
などと、企業側から意図的に減らしているだけではないことが分かります。
それでもやはり、障害者雇用の方全体で見たとき給料が安いと思われるため、やめとけと言われてしまうのです。
職種が限られキャリアアップが難しい
各障害によって、可能な業務とそうでない業務とで分かれてしまい、結果として職種も限られてしまうことがあります。
特に障害者向けの求人は、作業が単純である事務職が多いです。
簡単な仕事しかやりたくない人には、非常に向いている職種と言われています。
もちろん、事務職を選択した人の中には、難しい仕事に挑戦したいと思う方もいるでしょう。
しかし残念なことに、社員の手が回らない仕事を回されている場合などは、どうしてもそれ以上の経験を積むことが叶いません。
また、単調な作業の繰り返しでモチベーションが低下し、精神状態が悪化してしまうことも考えられます。
どんどんモチベーションが下がると作業に対して悪い影響も出て、必然的にキャリアアップからも遠いてしまうのです。
求人が少ない
障害者雇用は、必然的に求人が少なくなる傾向にあります。
ハローワークと転職エージェントに共通しているのですが、正社員は特に一般枠と障害者枠には格差が出るのです。
なぜ、障害者雇用の求人が少ないのでしょう?
理由は3つあります。
1つ目の理由は、日本国内で設立された会社はほとんどが中小企業であること。
中小企業とは、常時使用する従業員の数が100人以下の会社を指します。
人数が少ない企業は、業種によっては1人でいくつもの作業をこなしたり、社員の育成も1対1で出来るとは限りません。
また、人手が足りない故に、障害者に対する現場の教育不足も起こり得ます。
そういった点から、中小企業では障害者雇用の枠を広げることが、なかなかできないのです。
2つ目の理由は、職種の関係です。
特に、学校や塾などの学習支援、情報の伝達・処理・提供を行なう情報通信。
不動産や物品賃貸業、身体を動かす建設業、学術研究や技術サービス業などは専門的な知識が必要なため、雇用が難しいとされています。
3つ目の理由は、職場の環境の整備がされていないため。
いわゆる、バリアフリーに対応していない企業などは障害者雇用が難しいのではないでしょうか。
以上の理由から、障害者雇用の求人はどうしても少なくなってしまうのです。
求人を選べば障害者雇用はメリットだらけ
障害者雇用はやめとけ。と言われてしまう理由は、それぞれあるというのは把握いただけましたか?
しかし、ここで「じゃあやめておこう」と思うのは気が早いです。
障害者雇用には障害者雇用なりのメリットが、しっかりとあります。
企業から障害に応じた配慮をしてもらえる
障害者雇用で働くにあたり、1番のメリットとも言えるでしょう。
企業が障害者を採用する際には、障害者に対して業務や職場への配慮をする義務があるのです。
例えば
- 障害の内容によっては対応不可である業務は免除
- バリアフリーの環境を整える
- 相談役の設置
- 時短勤務
などです。
基本的には、障害者が働ける環境を整えなくてはならないため、障害者雇用は一般雇用に比べて働きやすいと言えるでしょう。
大手企業に入社しやすい
2021年3月に法定雇用率は2.3%まで引き上げられました。
従業員が1000人いる場合は23人、10000人であれば230人を採用しなければなりません。
つまり、社員が多ければ多いほど、障害者の雇用も増やす必要があるのです。
また
- 法定雇用率を未達成の企業のうち、常用労働者100人超の企業から、障害者雇用納付金が徴収されます。
- この納付金を元に、法定雇用率を達成している企業に対して、調整金、報奨金を支給します。
- 障害者を雇い入れる企業が、作業施設・設備の設置等について一時に多額の費用の負担を余儀なくされる場合に、その費用に対し助成金を支給します。
(引用元URL:厚生労働省 雇用・労働「労働者を募集する企業の皆様へ」)
とのこと。
そのため、大企業ほど障害者雇用は無視できなくなり、言い換えれば大企業ほど障害者の求職者が必要となるのです。
求人によっては健常者と同じ水準で働ける
求人内容によっては、一般枠と同等の給料がもらえるものもあります。
もちろん、事務職のような単純作業系の業務は給料が安いです。
逆に言えば、専門職へ就くことができれば障害者雇用でも高い給料が設定されます。
そこで「障害者雇用は給料が安い」問題へ目を向けて、思い出してほしいのです。
確かに事務職は安いかもしれませんが、これは一般枠でも同じこと。
障害者雇用の給料が安いのは、非正規雇用が多かったり、時短勤務であったりと、別の理由が起因します。
要するに、基本的には給料に障害の有無などあまり関係ありません。
健常者と障害者は、求人によっては同じ水準で働けるといっても良いでしょう。
寧ろ職場への配慮がある分、障害者枠の方が良いと言えるかもしれません。
障害者雇用だと病気に対する配慮をしてもらえる
障害者雇用だと病気に対する合理的配慮をしてもらえます。
合理的配慮とは障がいの有無は関係なく全ての人が平等であるということを基本とし、障害者にとって働きやすいような配慮を受けられることです。必要な配慮とは全ての障がい者に一律ではなく、一人ひとりの障害特性や環境などに応じ勤務日数や時間、休憩の取り方、業務内容といったあらゆる部分に及びます。日本では障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法において、事業者には合理的配慮の提供が義務づけられています。障害者雇用で就労すると病気に対する配慮をしてもらいながら労働していくことができます。
一般雇用だと健常者と同じ扱いなので病気に対する配慮がない
一方で一般雇用だと健常者と同じ扱いなので病気に対する配慮がありません。病気を隠して一般雇用で就労していくのは難しいでしょう。配慮がない状態で就労すると自分の特性を理解してもらえていない状況なので、職場の人の対応にストレスを感じやすいです。場合によっては対人関係のトラブルを抱えたり、嫌がらせを受けてしまうこともあります。
また病気が悪化して出勤できなかったり、業務に支障をきたしてしまうと就労先に迷惑をかけてしまいます。労働環境に不安感を抱えては仕事を続けていくことはとても辛くなってしまいます。一般雇用で働けるかどうかより、いかに就労を続けられるかどうかの方が大切です。
会社に合理的な配慮をしてもらうコツ
会社に合理的な配慮をしてもらうコツは面接時に必要な配慮内容を伝える、上司に相談する、同僚に自分の病気を話して「できないこと」を伝えることです。
面接のときに必要な配慮を伝える
障害者雇用の面接では「どんな配慮が必要ですか?」という質問が必ず聞かれます。配慮内容を伝える準備をしておきましょう。長期就労のためには、企業側と配慮内容についてしっかりと話し合うことが重要です。応募する上で大切なことは障害が仕事にどう影響するのかということです。どういった配慮があれば成果を出す事ができるかを具体的に伝えましょう。一般雇用でも障害者雇用でも、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことが大切です。企業側にどのような配慮を求めたいのか、自身の障害特性を踏まえて検討し、面接時に伝えましょう。
上司に相談する
仕事環境で気になることや悩みがあれば上司に相談することがおすすめです。労働契約法第5条により、会社には職場環境配慮義務があり、労働者に対して安全かつ快適に働くための環境を提供する義務があります。部下が働きやすい環境を整える事も上司の仕事です。
上司に相談することで客観的な意見やアドバイスをしてくれたり、上手く合わない相手がいる場合はその相手との業務を避けるといった配慮をしてくれます。また、悩みを相談する前は自分は今後どうしていきたいのか一旦考えを整理しておきましょう。相談時は感情まかせにならないように、人への悪口や愚痴となってしまわないように気を付けましょう。内容を分かりやすく簡潔に伝えるようにしてください。
また、上司に相談することで合理的配慮の内容を定期的に見直していくことも大切です。当初求めた配慮事項が現在も適切でない場合や、現時点で働く上で新しく支障となっていることがある場合もあります。定期面談を行いその都度見直していきましょう。
上司に相談することで適切な合理的配慮を受け、満足感を持って仕事に取り組めるような環境を整えていきましょう。
同僚に自分の病気を話して「できないこと」を伝える
同僚に自分の病気を話して「できないこと」を伝えるようにしましょう。何が出来て、何は苦手なのか、どのような配慮をどう行う必要があるのかを知ってもらうことは大切です。職場の人は障害者と働くことが初めての人が大多数であり、障害者に対してどう接するべきか分からない場合があります。障害特性は一人ひとり異なるためどのような配慮をして欲しいか伝えることがとても大切です。同僚は事前に共有を受けた内容を心がけてくれるので、お互いスムーズに仕事をする事ができるようになるでしょう。
健常者と同様に、障害者もそれぞれの個性があります。同僚に自分の病気を話して「できないこと」を伝え、それを理解してもらうことで適切なコミュニケーションをとることができるようになるため、障害者にとって就労しやすい環境をつくっていくことができます。
長く働き続けるなら障害者雇用がベスト
長く働き続けるなら障害者雇用がベストです。障害者雇用で就労すると病気に対する配慮をしてもらいながら労働していくことができます。職場の人に自分の特性を理解してもらうことで適切なコミュニケーションをとることができるようになり、障害者にとって就労しやすい環境を整えていくことができます。病気に対する配慮がない一般雇用で働くことにより、職場環境に不安感を抱えながら仕事を続けていくことは心身ともに辛くなってしまう可能性があります。場合によっては休職や退職をしなければならなくなります。やはり一般雇用で働けるかどうかより、いかに就労を続けられるかどうかの方が大切であり、障害者雇用はベストな選択肢となるでしょう。
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また、正社員の募集や正社員登用ありの案件も、ハローワークでは見つかりにくいですが、転職エージェントならば見つけやすいでしょう。
なぜかというと、転職エージェントは企業に人材を紹介することで報酬をもらえる仕組みとなっているのです。
ただし、採用された方が職場へ定着しなかった場合に、期間によってはペナルティが定められています。
もし自分が担当者だった場合、折角の報酬をペナルティで失うのは惜しく思いますよね?
その理由があって、転職エージェントの担当は求職者にぴったりの求人を探してくれるのです。
もちろん、転職エージェントは求人を探すだけではありません。
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